よく検索されるキーワード
  1. 商標登録
  2. 申請方法
  3. 費用
  4. 必要性
  5. 中小企業

商標登録は自分でできる|本人が商標登録するときの⼿順と 気をつけるポイント

もしあなたが自分の商標登録をしようと思っているなら、自分で手続することも可能です。

 

ただ先にお伝えしておくと、

  1. 時間的な余裕がある
  2. 登録する商標が使われる商品・サービスが少ない
  3. 商標登録費用をとにかく抑えたい

こちらの3つの条件に当てはまる人以外自分ではなく弁理士に商標登録を依頼するほうがよいでしょう。

 

商標登録を自分で手続きできれば費用的にも抑えられることは事実です。

ですが、自分で調べてやることで、時間もコストも余計にかかってしまったり、自分でやることで“抜け”が発生し、会社や事業をリスクに晒してしまうケースも実際に多いのです。

私自身もこれまで数多くの商標登録の相談をお受けしていますが、最初から依頼していただけていればもっとすんなり手続きが済んだのに、取得費用ももっと少なくて済んだのに、と思ってしまうケースも多いのが事実です。

 

この記事では、商標登録を自分でやるケースの利点・欠点と、弁理士が商標登録の手続業務を代行したほうがコストも時間も抑えられる理由についてお話していきます。

 

商標登録は自分自身で申請できます(弁理士資格不要)

商標登録は資格なしでも申請できる

商標登録の出願業務は「特許事務所」や「弁理士」が請け負っているケースが多いので、商標登録には資格が必要なのかな?と思っているかもしれません。

ですが、自分の商標を出願するのであれば資格不要です。

商標登録に必要な資格について

法律では、商標登録に必要な資格について以下のようなルールが法律で定められています。

  • 自分で使う商標を出願・登録
    →資格は不要(誰でもできる)
  • 第三者が使う商標の出願・登録を代行
    →弁理士の資格が必要

商標登録は、誰か(第三者)の商標登録の手続を代行できる業者は、弁理士資格を持つ必要があります。(弁理士資格は弁理士以外では弁護士だけが弁理士資格を持つことができます。)

ただこの資格は第三者の商標出願を代行する場合であって、自分自身の商標を使う本人が商標登録を申請するのであれば、弁理士資格は不要、ということです。

そのため、冒頭でお話したとおり自分で使う商標を出願・登録するのであれば、本人なら調べて手続きをすれば商標登録ができますし、それを知っている方は自分で手続きしているケースも多いのです。

商標登録を自分で申請するメリット

商標登録を自分で申請するメリットはたった一つ。

「弁理士費用」=商標取得業務の代行費用を0円にできる。

これだけです。

特許事務所によってカナリ違いますが、商標登録を弁理士に依頼した場合、弁理士費用が数万円~数十万円ほど必要になります。

ですが本人が自分で商標登録の手続を行う場合は、弁理士に依頼しないため当然弁理士手数料は0円になり、必要ない費用は数万円の印紙代だけで済みます。

 

商標登録の内容によって印紙代だけで数万~数十万かかることも多く、それに加えて弁理士費用もかかるのは費用的に辛いという声はよく聞きます。

特に予算が少なめな零細企業や中小企業の場合、事業規模が小さいため弁理士への依頼料もできれば0円で済ませたい、というケースはよくあるのではないでしょうか?

ですから、自分で調べて商標登録手続きして費用を抑えたい、という気持ちは私もよくわかりますし、それで問題なくできるのであればそれに越したことはないと思います。

 

なぜ弁理士が商標登録を代行する必要があるの?

特許事務所や弁護士が申請代行している理由

自分自身の商標であれば、弁理士を通じなくても自分自身で商標登録申請ができます。

ですが、あえて私は弁理士に依頼したほうが良いよ、というアドバイスをします。

もちろん弁理士(私)に金銭的な利益があるから、というのはもちろん否定しません!笑

ですが、仮に金銭的な利益がなかったとしても、弁理士に商標登録を依頼したほうがメリットは大きいと思います。

弁理士の専門知識はどのように生かされるのか

そもそも弁理士は資格を取る際に「商標」について専門的な勉強をしてます。

商標登録は商標法に記載されており、商標法は弁理士試験の必須科目の1つになっています。

 

弁理士試験では、

  • 商標法の条文の内容
  • 商標登録出願の手続の流れ
  • 商標登録を受けるための条件

など商標登録・申請に関する内容を学ぶのはもちろんのこと、

 

  • 特許庁で審査される際の商標審査基準
  • 商標権の効力範囲
  • 商標権侵害訴訟

など審査通過や商標に関するトラブルの事例についても知っているのです。

 

さらに、経験のある弁理士は、商標登録の実務を請け負う中で、

  • どのように申請すれば商標登録を取れるか

という教科書に載っていないテクニックもたくさん知っています。

 

ですので、弁理士に商標登録を依頼することで「より早く」「確実に」商標登録ができるような申請を行うことができるのです。

 

弁理士でないと取得できない情報はあるのか?

逆に、弁理士にしかできないことがなにか?という点もまとめておきます。

弁理士はたしかに無料又は有料のデータベースから商標取得に必要な情報を取得していますが、正直これらの情報は、弁理士でないと取得できないものではありません。

では弁理士と個人の差が出る部分はどこでしょうか?

 

弁理士は専門的な知識を持っているので、個々の案件を検討した上で、

  • どの情報源で
  • 何を調べなくてはいけないか
  • どこは有料でも情報をとったほうが良いか

という判断ができます。

その結果、最短ルート・最小限のコストで濃い情報を得ることができ、結果的に必要最大の情報を、最小限の費用で済ますことができるようになります。

商標に詳しくない個人が手続きをする場合、そんなに効率よくリサーチできないでしょうから、どうしても時間・費用がかかりますし、情報に抜けもできやすくなります。

こういった必要な情報をテキパキ集め、商標登録の最短ルートを進めるのも弁理士の強みです。

また経験則から、“登録が一発でうまくいくためのコツ”や“トラブルに巻き込まれにくいコツ”を少しずつ組み込んで商標登録申請しているので、自分で商標登録をやるよりも“抜け”が少ないと思ってもらえれば大丈夫です。

 

自分で商標登録手続をするデメリットやリスク7つ

弁護士に頼まず自分で商標申請するリスク

実は弁理士が商標登録を取っても、自分が商標登録をやっても同じでしょう、と思われることは正直多いです。

ですが、実際は結果的に「商標取得」という事柄は同じでも、事前に検討している情報が多いので自分で商標取得する場合に比べるとリスクに対する差があります。

何事もなく商標が取得できたときにはその差を感じることは殆どありませんが、例えば商標登録が拒否されたり、何らかのトラブル(侵害など)に合ったときに弁理士に相談していたかどうかに差が出てきます。

具体的に、自分で商標登録した場合のデメリットについてまとめていきます。

1.商標登録の見込みが分からない

商標登録は申請したらその内容を変えられないので、より確実にビジネス上困らないような権利範囲を申請する必要があります。

ですから事前に商標調査をするのですが、その調査のやり方が専門的であるため、結構商標について勉強しないと商標登録の見込みが分からないケースがほとんどです。

また、商標調査ができ、自分が希望する商標と同じものまたは類似の商標が登録されていないケースでも、商標登録を取得できないことがあります。

そういったケースは、商標登録申請して安心していたら、数カ月後に拒否されるということになりかねません。(事前に気づくには「商標審査基準」を理解していないとなかなか気付くことは難しいです。)

そうなると時間を完全に浪費し、その間に他の人に商標取得されてしまうこともあります。

2.商標登録の対象となる商品・サービス(区分)の最適な選び方が分からない

商標登録は商標権を使うサービス(区分)を選んで申請するのですが、商品・サービスの選び方によって申請した商標で守ることができる範囲(商標権の効力範囲)が決まります。

このため、商標登録の申請の段階でこの商品・サービスの選び方を間違えると、せっかく商標登録を取得しても、無駄骨になります。

要は、商標を取得している!と主張しても、実際は他人の模倣盗用を完全に防止できないおそれがあります。

商標権が取得できていなければ、いくら実績や使用歴を訴えても効果はゼロなので注意が必要です。

3.商標の一部が真似されるおそれがある

商標登録が完了して商標権を取得しても、取得方法によっては商標の一部を真似されても反論できないケースがあります。

このため、自分が取った商標を一部でも他社に真似されたくない場合は、どの部分が真似されやすいかを予測して、その部分を確実に保護する必要があります。

そういった判断や申請方法は専門的すぎるため、個人で申請するには無理が生じますので弁理士に相談したほうが良いということになります。

4.商標登録書類の作成・提出に時間がかかる

商標登録の書類フォーマットや申請方法は、特許庁のホームページを調べれば、書類の作成方法・提出方法が分かります。

但し、初めて商標登録する場合は、書類一つ書くのにも1日がかりやそれ以上の作業時間がかかります。

書類作成などに苦手意識があるのであれば、申請は弁理士に任せて本業に力を入れたほうが効率が良いことも多いはずです。

5.拒絶理由通知書が届いた場合の対処が分からない

商標登録は申請すれば100%許可されるものではなく、申請が拒絶されることもあります。

拒絶の場合は特許庁から“拒絶理由通知書”が届きます。

拒絶理由通知書には拒絶理由の根拠となる商標法の条文、専門用語が記載されており、適切に修正すれば商標登録が許可されるケースもあります。

ですが、この文章を正しく理解し、対処するのに専門的なことを調べたりする必要がでてきます。

拒絶理由通知書を正しく理解できなければ、どのようにすれば対処すれば商標登録の拒絶理由を解消できるのかが分からない場合が多いので、こういった部分にも個人申請の限界があります。

6.商標権の権利範囲が狭くなる(抜け穴ができる)場合がある

商標登録の際、商標を使う範囲を区分として申請します。

ですが、逆に言えば、商標登録の際に申請した区分しか商標権の効果が適用されません。

ただ、区分を増やせば増やすほど商標登録の費用も万単位で増えますので、区分の選び方を間違えると余計な費用がかかります。

また逆に、申請した商品・サービス(区分)の最適な選び方を間違えると、費用をかけたにもかかわらず商標権の効力範囲が狭くなり、抜け穴ができて他社にブランドや社名を侵害されるなどのリスクにさらされ、十分な商標権の保護が得られないおそれがあります。

7.慣れない手続に手間取り本業に支障をきたす

慣れない商標登録の手続きの手続きに疲弊し、本業支障をきたしてしまう。

実は自分で商標登録をする際の一番のデメリットはこれでしょう。

実際に弊所に相談があったケースでは、ご自分で商標登録の手続についていろいろ調べてから特許庁に手続をしたものの、拒絶理由通知が届いて対処方法が分からず、弁理士(弊所)に相談に来られるケースもありました。

こうなると、結局弁理士に相談するくらいなら最初から依頼しておけば時間も費用も少なくて済んだのに、ということになりますよね。

もし本業が忙しいようであれば、自分で商標登録すること自体、かなりのビジネスチャンスの損失があったと思います。

 

こういった自分で商標登録する際のデメリットをきちんと把握した上で、あなたのケースでは自分で商標申請すべきか、最初から弁理士に相談してしまったほうがいいのか判断してみてくださいね。

 

自分で商標登録すべきか弁理士に依頼すべきかの判断基準

商標登録を弁護士に依頼する判断基準

ここまで商標取得を自分でやる場合について書いてきたのですが、私自身、自分自身で商標登録ができるのであればできるに越したことはないとと考えています。

ですから、結局弁理士に依頼すべきか否かは、商標取得に対する費用対効果をどう考えるか、だけだと思っています。

 

今回お話した内容をまとめると、「自分で商標取得する」ことに挑戦して良い判断基準としては、冒頭にも書きましたが、

  1. 時間的な余裕がある
  2. 登録する商標が使われる商品・サービスが少ない
  3. 商標登録費用をとにかく抑えたい

上記3つに当てはまる場合は、自分自身で商標登録手続に挑戦してみてもよいと思います。

 

逆に、(1)から(3)の1つでも満たさない場合は、自分で商標登録をせず弁理士に依頼した方がいいでしょう。

特に、会社のロゴや多くの商品に関係する商標の場合は失敗して他人に侵害されたときの対応費用が莫大になってしまうので非常にリスクが大きいですからね。

最初から弁理士に相談してもらっていれば、より少ないコストでより権利範囲を広くするにはどうしたら良いかも踏まえて少登録できます。

 

費用を抑えるところは上手に抑え、リスクのほうが高くなりそうな場合は弁理士に依頼して少コストでトラブルに強い商標取得をしていきましょう。

個人が商標登録する手順とポイント
最新情報をチェックしよう!
>個人事業主・中小企業で商標取得に迷ったら

個人事業主・中小企業で商標取得に迷ったら

商標取得は取得しておくに越したことはありません。
ただ、現実的な問題として優先度は本当にケースバイケースです。
ときには、商標取得よりも目の前のビジネスに投資すべきタイミングもあります。

商標登録は企業様によってベストなタイミング・内容が変わってきますので、私はその判断をお手伝いし、最適なタイミング・申請内容をご案内できたらと思っています。

特に個人事業主や中小企業の方は商標取得に割ける時間・人員等が厳しいケースも多くあります。

私にご相談いただければ、「やらない」という判断も含め、今のあなたにとっての最善策をご提案できると思いますので、是非お気軽にご相談ください。

CTR IMG